第36章 かぜっぴき
「私には分からない。···今まで静かな場所に揺られて、彼奴が来て」
がたたん
がたたん
「そうですね。私が澁澤さんにすることは··」
スッ···ぎゅむ
「ーーーー!?」
「こうして抱きしめる事ですね。角を取ってくれたからか刺さらなくてよかったですね笑」
「それを···彼奴は···。」
醜い異能力は何をすればいいか分からず、ただ空いた手を
ギュゥ···。
すり
「あたたかいな」
抱きしめた。
がたたん
がたたん
「····匂いが変わった」
しぶしぶ~~。
(彼奴の何かが変わったら私の中にも何かが入り込む)
がたたん
がたたん
「まぁ、しばらくは揺られますか」