第36章 かぜっぴき
あったかい。
あったかい
すり··すり
ギュゥ。
(地味に爪がくい込むな、でも貴方も"澁澤さん"なんだよな···!)
あみあみ···。
(出来た!)
(···優しい手が触ってる)
小さくて、あたたかくて
うと。うと···
ゆっくり揺れてる。ような···
「ぐぅ···。」
「澁澤さん?(寝てる)」
異能力も眠る。
いくら姿が変わっても
あなたは
さらっ
「生きてますよ、龍彦さん」
ーーーーー····
がたたん
がたたん
「~~♪」
「最近機嫌がいいな」
チャラッ
「お前には教えない」
むかっ
「そうかいそうかい」
「嬉しいな」
「あ?」
「醜い異能を持つ私でもあの子は優しかった」