第13章 過去
「私が··怖くない···のか?」
「怖いですよ」
ぴしゃん
(本音)
「でも、今は泣きそう、傷の手当しますね」
「天音、はいなくなるのかい?」
にこっ
「···まだ、いなきゃいけなくなりましたね」
「キスしたい」
「しません、あー··血が滲んで、包帯また買うようだな」
「···指輪を」
しゅるしゅる
「ん?」
「指輪を天音から頂いた」
「指輪··?」
「私が小さい時屋敷の外を歩いていたら···天音が私にって···言われた言葉が思い出せない」
「私は··小さい時の澁澤さんを知りませんよ。だって今が初めて···!」
カチッ
何かがハマる音がした