第2章 ゆれたゆれた
「そう、ですね」
違う人と見るのも悪くない
ザザァ···ンン
(暗い、音だけが聞こえる)
「普段の明るい海も好きですけど···暗い海も私は好きなんです。澁澤さん今ですよ。」
指を指す仕草に私は目を奪われ上を見上げる。
「······(あっ)」
空にきらきらと星が輝いて···月明かりが見えてきた。
「この星座は···おとめ座ですね、あれは···」
海とはただ流れてる音しか知らないから
こんな楽しみ方もあるんだ。
「澁澤さん、浜辺行きますか?」
「そうだね··少し歩いてみようか」
「大丈夫なんですか?」
「だから···天音」
「はい?」
「私の手を引いてくれないか···ゆっくり」
「はい!」
··とくん
(なんだ?この音)