第2章 ゆれたゆれた
ガチャッ
「よいしょ」
借りてきた車椅子を私が寝泊まりしている部屋に入れる
(今日の夜は確か空も綺麗だからな。澁澤さんの宝石も綺麗だけど···)
小さい時にお母さんと歩いた夜の浜辺が綺麗だったからな
「よし!時間的にも包帯取り替える時間だな」
パタン···
ガチャッ
「澁澤さん、包帯取り替えましょ!···あっ起きていて大丈夫なんですか?」
「だいぶ、傷も良くなったからね」
「それなら··(やっぱりお人形さんみたい)」
「?」
ーーーーー·····
キュルキュルキュル···
「海··ですか」
「嫌でしたか?澁澤さんいつも寝たきりですから毎日同じ景色も飽きたかな?って···」
「たまには見たくなります」
「よかった~」
車椅子に乗せて動き出す。
(海····最後に見たの何時ぶりか)
ただ流れる物を見て何を楽しんだか、でも
キュルキュルキュル···
「私は夜に流れる海が好きです!今日は星空が綺麗だから綺麗に見えますね!」