3年滅組、それは問題児の集まるクラスでした。/ 鬼滅の刃
第5章 喧嘩上等
「………どういう意味だ」
嫌な予感と同時に、携帯を握る手に力が籠ってゆく。
相手のやり口はよく知っている。昔何度も拳を交えた仲だ。目的の為ならどんな犠牲も厭わない極悪非道な集団、それが銅鑼だ。過去に何人もの仲間が病院送りにされた。その度に俺もあいつの仲間を病院送りにしてやった。俺達の因縁は根よりも深い。
そんな相手がの名前を口にした。
『いやいや、番長様が心酔する先生の授業を俺も受けてみたくなってよ。それで思い付いたわけだ。………ああ、出張授業してもらおうって』
「おいコラてめえ!」
『一時間だ。銅鑼の拠点。必ず一人で来い。他言無用でな』
「おい待ちやがれっ……!」
『───急げよ、番長さん』
張り上げた声も虚しく、電話は一方的に切れてしまった。
「……っ……」
一人立ち尽くす廊下で、思考を休ませることなく脳味噌を回す。
どうする。相手はきっと大勢で待ち構えてるはずだ。銅鑼の総長を筆頭に、俺を恨んでる奴ばっかだからな。不死川に加勢を頼むか?あいつも喧嘩の腕はかなり立つ。そんで手が空いてる他の奴らにも応援を…………
───他言無用でな。
いや、だめだ。の安全が最優先だ。あいつをこれ以上危険な目に合わせられない。一人で行くしかねェ。
俺の脳裏に、人質に捕らえられて怯えているの姿が浮かんだ。
「………上等だ。派手に決着着けてやらァ」
眠っていた番長の血が疼き出す。俺は迷うことなく銅鑼の拠点へと走り出した。
向かいながら思う。
………悪ィな、関係のねー抗争に巻き込んで。
そして願う。
、どうか無事でいてくれ。と────