3年滅組、それは問題児の集まるクラスでした。/ 鬼滅の刃
第1章 3年滅組
「はい宇髄くんは今日も遅刻……っと。じゃあ次、甘露寺蜜璃さん」
「は、はいっ!います!」
元気よく手を上げる甘露寺さん。
彼女は男子生徒から人気がある子だ。だが、彼女に告白する者は一人としていない。その理由は伊黒くんが裏で圧をかけているとかいないとか。それでもモテることに変わりはなく、男子の視線が甘露寺さんに集中し過ぎるが故に授業が疎かになって進まないからと教師が嘆き、滅組に入れられてしまった。まあ、本人が望んで起こしたことではないので被害者といえば被害者である。
「あ、あの、先生っ」
「?」
何か言いたそうだ。甘露寺さんが頬を染めながらもじもじしている。
「どうしたの?顔が赤いけど大丈夫?」
「い、いえっ、そのっ……えっと……な、何でもありませんっ!」
(………ああ、今日も言えなかった。先生がとっても可愛いですって。言いたかったぁ……!)
そんな事を甘露寺が考えているとも知らず、は次の生徒に視線を移す。
「出席番号4番、胡蝶しのぶさん」
「はい。………あの先生、一つよろしいでしょうか?」
「うん。なに?」
「今日もとってもお綺麗ですね」
「!」
(ああっ、しのぶちゃんずるい!)
「ありがとう胡蝶さん。今日は日直胡蝶さんの番だからお願いね」
「もちろんです。おまかせください」
胡蝶さんが滅組に入れられた理由は定かではないが、サイコパスな面がよく出ると聞いている。なんでも可愛い笑顔で恐ろしい事を言い放つんだとか………拷問・目玉・内臓のワードを笑って述べてクラスメイトを震えあがらせたこともあるらしい。とにかく非常に怖がられていたのは確かだ。
だが、にはきちんと教師として接してくれる彼女。授業態度も悪くないし現状サイコパスの面も気にならない。だからそんなに嫌いじゃなかった。
「次は………不死川実弥くん」
「オイ」
「先生です。呼び捨てはやめましょう」
「………先生よォ、いつになったら俺のもんになってくれんだァ?」
「黙りなさい不死川くん。そして胸元のボタンを閉めなさい」