3年滅組、それは問題児の集まるクラスでした。/ 鬼滅の刃
第4章 不穏な足音
ま、そっからは早いのなんの。日を追うごとにはどんどん教師らしくなって、1ヶ月経った今じゃ完全に担任の顔よ。もともとあいつには教師スキルがあったんだろうな。天職っつうの?それそれ。
問題児だらけの3年滅組なんて言われちゃいるが、最近じゃ滅組が羨ましいなんて声も上がるほど。まあそれもこれものひたむきな努力あっての結果だと俺は思うわけだ。あいつ意外と根性あるし。ああ、あと見た目。本人は知らんだろうが実は生徒にかなりの人気がある。
3年は一番学年で関わりが多いからか話す機会もあるが、2年と1年はそんなにねェ。要は憧れの存在だ。だから全校集会なんてあった日にゃ、教師列に並んでるをちらちら見てやがる男子の多いこと多いこと。どうせ女教師×男子生徒の秘密の関係みたいなエロいことでも妄想してんだろ。思春期だからな。
「───じゃあ復習として今から小テストするから。みんな筆箱以外のものは閉まって」
ふと思い出から日常に戻される。大きく上下する黒板消しにどんどん消されてゆく年表。ぱんぱんと手の粉をはたいたはテスト用紙を順番に渡してゆく。
俺は用紙を見ながら意味もなくシャーペンをくるくると回し考える。
派手でも地味でもねー。普通の清楚な感じの。顔が可愛いんだから学校でももっと可愛い格好すりゃいいのによ、と思うわけだが……
「……………」
お、なるほど。その手があったか。普段あまり使うことのないシャーペンを走らせる。