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【リヴァイ】彼と彼女の最終回【進撃の巨人】

第18章 ◇17話◇兵士の記憶(前編)


何かに全身を殴られて、背中から壁に吹っ飛ばされたようだった。
でも、一瞬過ぎて、よく分からなかった。
気づいた時には、頭が痛くて、身体中が痛くて、目も痛くてー。
恐らく自分の身体は、冷たい地面に横たわっているんだろうということくらいしか分からない。
すぐ近くで、まるで建物が崩れるような大きな音が聞こえている。
怖い、怖いー。

「大丈夫ですか!?」

誰かが駆け寄ってきて私の身体を抱え起こした。
その向こうからも、駆け寄ってくるような足音が幾つも聞こえてくる。
それと同時に、焦ったような騒がしい声も聞こえ出したー。

「今の爆発は何だッ!?ハァッ!?なんで旧本部の中に巨人がいるんだ!!」
「知らねぇよッ!!とにかく、爆発にさんが巻き込まれたっ!!
 すぐに医療兵を呼んできてくれ!!」
「…!?今すぐ連れてくる!!」

私を抱き起した誰かが叫んでいるのが分かった。
でも、私は、さっき目の前で放たれたあの眩しい光に目がやられてしまったようで、痛さで目が開けられなかった。
今、どういう状況なのかよく分からない。
この世界に来るまで、分からないというのがこんなに怖いなんて知らなかったー。
何も分からないから、怖いことばかりだ。もう、嫌だー。
痛い、身体が痛いー。
怖いー。

「何があったっ!?どうして、旧本部の中に巨人がッ!?」
「殺せッ!!すぐに殺せッ!!」
「いや、待て…!コイツ、巨人小僧じゃねぇか!!」
「おい、小僧ッ!!どういうことだ!!なんでてめぇの両腕だけ巨人化してる!?」
「…分かりませんっ。でも、俺ー。」
「リヴァイ兵長を呼べ!!
 ソイツをどうするかはリヴァイ兵長の判断だ!」
「すぐ呼んでくる!!」
「さんのことも伝えた方がいい!!
 巨人化に巻き込まれて負傷した!!意識がねぇ!!」
「嘘だろッ!?」

遠くから、私の名前も聞こえる。
巨人とか、巨人化とか、何のことを言っているのだろう。
頭が、痛いー。
身体も、痛いー。

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