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【リヴァイ】彼と彼女の最終回【進撃の巨人】

第18章 ◇17話◇兵士の記憶(前編)


何度目かのため息をこぼしながら、私は1人で、1階にある医務室の窓辺から外を眺めていた。
腰の痛みを訴えてみたところ、リヴァイに抱えられて医務室に連れて来られたのだ。
彼は昔から、に対して、こんなに過保護だったのだろうか。
それとも、恋人の死が、彼を異常なくらいに過保護にしているのだろうか。
とりあえず、リヴァイからは、任務が終わったら速攻で迎えに来る、と言われている。
私はもう何度目かのため息をついた。
窓の外では、調査兵達が訓練をしていた。
リヴァイやハンジ達はまた違う任務があるらしくて、見えるところにはいないけれど、あの恐ろしい巨人の見張りをしている調査兵以外は、いつかの巨人との対戦の為の訓練というのをしているらしい。
ペトラ達のように空を飛んでいる人間が何人もいた。
あの立体起動装置という道具を駆使して、人間は空を飛べるのだそうだ。
そして、その鞘に納められている大きな刃を使って巨人を倒すのだそうだ。
どうやら、訓練では、ハリボテを巨人に見立てて戦いの演習をしているようだった。

『の記憶戻してどうするの?また兵士にしたいの?』
『バカか。もう二度と、に危険な真似はさせねぇ。』
『でも、記憶が戻って戦えるようになったら、ピクシス司令が黙ってないよ。
 は彼のお気に入りなんだから、すぐに駐屯兵に呼び戻されるに決まってる。』

今度は乗馬をさせると言い出したリヴァイに、漸くハンジが動き出してくれた。
よく分からないけれど、その説得が効いたようで、リヴァイは訓練のようなものをするのをやめてくれた。
どうやら、は兵士の任務中に戦死したようだった。
だからこそ、もう二度と恋人を失いたくないリヴァイは、兵士としての記憶を取り戻させることは諦めてくれたのだろう。
本当によかった。
それにしても、この世界のは、兵士として巨人と戦っていたのだろうか。
彼らの話しぶりからは、そう読み取れた。
あんな恐ろしい大きな生き物と対峙出来るのだから、強い女性だったに違いない。
私は絶対に無理だ。
あの空を飛ぶ道具の立体起動装置すら腰につけて立てないのだから、そもそもが無理な話なのだ。
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