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【リヴァイ】彼と彼女の最終回【進撃の巨人】

第18章 ◇17話◇兵士の記憶(前編)


両脇を支えるリヴァイの手が離れた途端、私は腰から砕けるように崩れ落ちた。
あっという間の出来事だった。
左右の腰に強引に装着された立体起動装置という機械が、地面に叩きつけられて大きな音を立てる。
何だ、これはー。重たいというレベルではない。
想像以上の重力に驚いて、呆気にとられた。
だって、リヴァイも、あの可愛らしい容姿のペトラでさえも、軽々と両腰につけて普通に立っているし、歩いたり、走ったりしていたのだって見たことがある。
でも、1秒だって立っていられなかった私を、リヴァイはひどく目を見開き、信じられないと言う顔で見下ろしていた。
でも、それはリヴァイだけではなくて、ペトラやあの若い新兵の男の子も同じだった。
私がではないと知っているハンジとモブリットだけが、片手に額を乗せて、やってしまったーという顔をしている。
やってしまう前に、止めて欲しかったのが本音だ。

「おい…。俺は今から、立体起動装置で空を飛んで記憶を戻そうと思っていたんだが。 
 まさか、それを支えて立つことも出来ねぇのか。」
「…腰が痛い。」

空を飛ぶ意味も分からないし、泣きそうな顔で今の気持ちを伝えた。
リヴァイは大きくため息を吐くと、ペトラに外してやるように指示を出してくれた。
ホッと息を吐く。

「大丈夫ですか?そこのベンチで休みますか?」

慣れた手つきで立体起動装置を外しながら、ペトラが心配そうに訊ねる。
その優しさに甘えて、思いがけず腰を痛めた私は、彼女に支えられながらベンチに腰を降ろした。

「仕方ねぇ。見て、思い出せ。」

ベンチまでやって来たリヴァイは、まだ諦めていなかった。
リヴァイ班だというペトラ達を呼び集めると、そこに何本も立っている木々を使って飛んでみろと指示を出す。
さっきから彼が言っているが、飛ぶとは何だろう。
そう思いながら、仕方なくリヴァイの指示で木々に向かって何かを飛ばしたペトラ達の動きを見ていた。
知らなかった。
この世界の人間は、空を飛べるらしいー。
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