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【リヴァイ】彼と彼女の最終回【進撃の巨人】

第17章 ◇16話◇兵団服


本当は見えないところへ隠れて話をしたいところだけれど、そうなれば絶対に追いかけてくるのは分かっている。
だから、背中に視線を感じるギリギリのところで立ち止まる。
そして、追いかけて来たモブリット諸共、私は睨みつけた。
小さな声で、でも、怒りを乗せて彼らを責める。

「生きてるだけで充分、記憶はなくてもいいって話じゃなかったの?
 朝からずーっと思い出話に付き合わされてるんだけど!出逢いから始まって!クソとか!クソとか!!
 おかげで、もともと美味しくない朝食が余計、美味しくなかった!」
「それは…、いつ終わるだろうね。ほぼ6年あるから…。」
「嘘でしょ!?もう勘弁してよ…!最後まで聞き終わる前に、元の世界に戻るわ!!
 ない思い出を、どうやって思い出せばいいのよっ。」
「いや、まさか、リヴァイ兵長がそんなこと考えるとは思わなくて…。
 本当にごめん…。」
「しかも何なの、これ!着替え方わかんなくて、結局、リヴァイに着せてもらうっていう
 最低最悪の辱めを受けたのよ!どうしてくくれんの!?」
「…どんな風に着せてもらったんだい?」
「うっさい!思い出したくもないわ!!
 とにかく、私は兵士なんてなったことも、これからなる気もなー。」
「いつまで、そこで話してるつもりだ。来い。」

怒りで興奮しつつも、精一杯小声でやり取りしていると、リヴァイがやってきた。
そして、首根っこを掴まれ、引きずられる。
抵抗したところで、圧倒的な力の差で敵わないことは、1時間ほど前に身体で覚えた。
ハンジとモブリットは、そんな私を哀れそうに見送るだけだ。
許せない。
まだ文句しか言っていないのにー。

「いやいや、待って!リヴァイ!!」

ハッとした顔をして、ハンジが追いかけて来た。
その後ろをモブリットも慌てて追いかける。

「言ってる意味は分からなくもないけど!!今日はエレンの実験だよ!!
 リヴァイが、に一番見せたくないものだろ!?」
「あぁ、だから今日は中止だ。」
「はぁぁぁぁぁあああッ!?」
 
ハンジの叫びが、古城の外に響いた。
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