• テキストサイズ

【リヴァイ】彼と彼女の最終回【進撃の巨人】

第16章 ◇15話◇彼と彼女の初回


空になった瓶がテーブルの上を占領し始めていることを気にも留めず、はまた新しいお酒を注文した。
呆れたリコがため息を吐いて、イアンがくどい説教を始めたが無視した。
ミタビだって煽るようにお酒を呑んでるし、私だって好きにしてもいいじゃないか。
だって、本当にイライラするのだ。
あのー。

「クソチビが!!」

テーブルにグラスを思いっきり叩きつけた。
思い出しても、腹が立つ。
思い出さなくても、腹が立つ。
達は、先週から1週間続いた最低最悪の任務が終わって、漸くシガンシナ区に帰ってきていた。
明日は休みを貰ったため、お疲れ会も兼ねて行きつけの酒屋に来ているところだ。
今回の任務は、ピクシスの思いつきで調査兵達と合同での訓練だった。
ピクシスに独断と偏見で選ばれた駐屯兵達が、わざわざウォール・ローゼの壁から離れたところにある調査兵団本部に出向き、訓練指導をお願いしたのだ。
彼らが巨人討伐スキルに長けていることは私も知っている。
調査兵団のことを悪く言う人達もいるけれど、危険な壁外に出て人類の為に命を削り、新しい情報を手に入れてくれる彼らのことを尊敬もしていた。
先週まではー!
あんなに態度の悪い男に会ったのは初めてだ。
何をするにも上から目線で、二言目には『クソが。』と排泄物扱い。
訓練指導として、リコ達についた調査兵は比較的優しそうな人達だった。
リコなんてモブリットだったから、のんびりと時間が過ぎているようでとても羨ましかった。
リコとしては、折角ならエルヴィン分隊長に訓練指導してもらいたかったと畏れ多いことを言っていたけれどー。
とにかく、なぜ私の訓練指導が殺し屋みたいなあの男だったのかー。
本当に、腹が立つ。

「悪口の言い方もうつってしまうくらいムカついたんだね。
 はいはい、お疲れ様。」

リコがため息交じりに、相槌を打ってくれた。
そうなのだ。
もう本当にムカつくー!
呑んでないとやってられないくらいに、腹が立つ。

/ 84ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp