第14章 ◇13話◇パラレルワールド
あの声を思い出した今、私は、パラレルワールド説を信じ切っている。
そして、そんなあり得ない答えを引っ張り出してくれたのはハンジだ。
ハンジなら本当に、私が元の世界に帰れる方法を見つけてくれるかもしれない。
一か八か、からの伝言をリヴァイに伝えて終わりにする、なんていう博打よりもずっと確実な方法をー。
「…分かった。」
「よしっ!」
「でもっ、いつまでも帰る方法が見つからなかったり、
リヴァイにバレて私の立場が危うくなったら、ちゃんとハンジが私を助けてよ?」
「もちろんだよっ!その代わり、君もリヴァイに信じてもらえるように努力してくれよ?」
「…努力する。」
「よしっ!今度こそ、交渉成立だっ!!」
ハンジに握手を求められて、私はおずおずとその手を握った。
その向こうで、モブリットは青い顔をしていた。
これが本当に正しい選択だったのかは、分からない。
もしかすると、酷く後悔することになってしまうのかもしれないー。
そんな不安を感じながら、私は、嬉しそうに繋がる手を振るハンジの笑顔を見ていた。