第14章 ◇13話◇パラレルワールド
「ねぇ、。お互いに協力し合わないか?」
ハンジが私の隣に座った。
ゆっくりと顔を上げれば、とても真剣な目と視線が重なる。
「…協力?」
「リヴァイはこの世界で最も重要な兵士だ。彼が潰れてしまったら人類の為にならない。
だから、君にはこのままのフリをしていてほしい。
そうすれば、とりあえず、リヴァイの件はクリアする。」
「しないよっ!私は偽物なのに、リヴァイを傷つけるだけでしょう!?
それに、そんなこといつまでも続けていられないっ!
私には帰る場所があるのっ!」
「分かってる。だから、記憶を失って天使になって帰ってきたとでも言えばいいよ。
またいつか離れることになるって最初から伝えておけばいいだろう?」
「それこそっ!それこそ、リヴァイを傷つけるよっ。
また離れ離れになるなら、傷が浅いうちにー。」
「もう傷は深くえぐれてるんだ。そして、あと少しで心臓に達するところで君が現れた。
あとは、リヴァイが現実を受け入れるための時間が欲しい。
それを、君に作ってほしいんだ。」
「時間があれば、リヴァイは恋人が死んだことを受け入れられるの…?」
「今までもたくさんの大切な人達を失ってきた。
リヴァイも頭では本当は分かってるはずなんだ。だからきっと、大丈夫。」
「…今の話じゃ、私ばかり協力してるよ。ハンジは何をしてくれるの?」
「あぁ、そうだね。私はが元の世界に帰れる方法を探るよ。
こう見えて、私は調べることに関しては天才だと自負してるんだっ。」
ハンジが自信満々に胸を叩いた。