第14章 ◇13話◇パラレルワールド
だから、反対されてひどくショックを受けた。
「そんな…っ、そんなこと言ったってっ!それが事実なら仕方ないでしょうっ!?
リヴァイもこの世界のも可哀想だけど、でもっ!私だって可哀想でしょうっ!?
元の世界に家族がいるの!友達だっている!そりゃ、恋人はいないけど!!」
「リヴァイを助けられなかったら君の任務は失敗だよ。
それで本当に元の世界に戻れると思う?」
「わかんないけど、試してみてもいいと思う。」
「じゃあ、試してみたと仮定しよう。成功すれば、君は元の世界に帰れるだろうね。
それでリヴァイはたぶん、もう二度と立ち直れない。まぁ、それは君には関係ないけどね。
で、君にとって問題なのは、失敗した場合だ。君はどうなると思う?」
「それは…。」
「教えてあげようか?君は元の世界には戻れないどころか、
リヴァイという強い味方も失う。君が本物のじゃないと分かれば、
リヴァイが君を守る必要はなくなるからね。」
「…っ。」
「そしたら、誰もいないこの世界で君は本当にひとりぼっちだ。
巨人のいるこの世界で、君はどうやって生きていくつもり?」
ハンジが出した仮定は、最悪の場合だ。
だから、モブリットが、脅し過ぎだと注意していた。
でも、その最悪の場合が、訪れないとも言い切れない。
もし本当に、私が元の世界に戻れなくて、でも、正体だけはリヴァイ達に知られてしまったらどうなるのか。
考えるのも恐ろしい。
だって、今の私は、この世界のが積み重ねてきた日々に守られているのだ。
それがなくなってしまったら。
「私は、どうしたらいいの…?
家に帰りたい…。帰りたいだけなのに…。」
足元もおぼつかないまま、ソファに落ちるように腰を落とす。
そして、頭を抱えた。
この世界のがリヴァイを心から愛していたのは、分かった。
あの切ない声が、私にそれを教えてくれている。
そして、リヴァイがこの世界のを心から愛していることも、私を見つめる彼の瞳が教えてくれた。
彼らの悲劇の結末には本当に胸が引き裂かれそうになる。
でも、私がどうやってリヴァイを助ければいいというのだ。
それに、死んだということをちゃんと伝えてくれと言ったのはの方だ。
だから、それをそのまま伝えたらいけないのか。
あぁ、もうどうしたら。