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【リヴァイ】彼と彼女の最終回【進撃の巨人】

第14章 ◇13話◇パラレルワールド


「-髪を撫でる彼の手は優しくて、自然と唇が重なっていた。」

私は、相変わらず青いままの窓の外を眺めながら、柔らかい男の人の声で読み聞かせられる物語に適当に耳を傾けていた。
リヴァイが部屋を出てから、それほど待つこともなくモブリットは来てくれた。
暇つぶしの相手だと言っていたけれど、私がもう二度と逃げない為の見張りなのだろう。
とりあえず、今日も本を読んでおけばいいとリヴァイに言われているのだけれど、知らない文字なので、モブリットに読み聞かせをお願いしているところだ。

「…それで?2人はどうなったの?」

続きが聞こえなくなって、私は向かい合うソファに座るモブリットに顔を向けた。
真っ赤になっている顔を見て、なんとなくその続きを察する。
どうやら、漸く心が通じ合った男女が、ラブシーンに突入したらしい。

「ねぇ、続きは?」
「…、わざと言ってるだろ。」
「さぁ?」

少し意地悪く言って、私はクスリと笑う。
本を閉じてしまったモブリットは、続きはリヴァイに読んでもらえばいいなんて最悪なアドバイスをくれる。
それでその気になってしまったらどうするのだ。
私は、好きでもない男と身体を重ねる趣味はない。

「は記憶がなくても、変わらないね。」

モブリットはどこか懐かしそうな目で私を見た。
私越しに私の知らない誰かを見ているその目に、私は慣れそうにない。
でも、気づいたら、モブリットが知っている私はどんな人間だったのかを訊ねてしまっていた。
なんとなく気になったのか、それとも暇すぎたのかは分からない。
ただほんの少し、興味はあったと思う。
リヴァイがあんなに愛おしそうに見つめる私にそっくりな彼女は、どんな人だったのだろうー。

「俺とは訓練兵団の同期だったんだ。」
「訓練兵団?」
「兵士になるための訓練をする兵団だよ。
 そこを卒業して漸く兵士になれるんだ。」

モブリットは、簡単に兵団という組織について説明をしてくれた。
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