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【リヴァイ】彼と彼女の最終回【進撃の巨人】

第13章 ◇12話◇彼の腕の中≠安心できる場所


リヴァイの馬に乗せられて旧調査兵団本部に戻った。
そして、それが当然であるように、私は今、リヴァイの寝室のベッドの上にいる。
いまだに震えの止まらない私の身体は、リヴァイにひたすら抱きしめられていた。
優しい手は、疲れを知らないみたいに私の頭を撫で続けていて、リヴァイのシャツの胸元は私の涙で冷たい滲みを作り続けている。
あの男達は、憲兵という別の兵団の兵士達がどこかへ連れて行った。
よくわからないけれど、たぶん、警察みたいなものなのだろう。
エルド達が、人攫いだと教えてくれた。
若い女性や子供を攫ってお金にしている輩で、兵士長の女ということで私は前に1度狙われたことがあるらしい。
でも、兵士をしていた私は、今よりも全然強くて、あっという間に倒したそうだけれどー。
もちろん、そんな記憶はないし、それは私じゃないー。
そう、絶対に私じゃないー。
だから、本当は逃げたいのだ。
リヴァイだって誰だか分からない男で、いきなり自分は恋人だと言われて、本当はすごく怖いのに、外の世界がもっと怖くて、この腕の中がどこよりも安心できる場所なのだと、心が間違えてしまっていた。

「ねぇ、リヴァイ。少しいい?」

扉が開いて、ハンジが顔を出した。
途端に、今度は巨人を思い出して、リヴァイの背中にまわす手に思わず力が入った。
余計に身体が震え出したのに気づいたのか、リヴァイの腕の力が強くなった。

「出ていけ。」
「お願い、少しだけと話をー。」
「ぶん殴られたくなけりゃ、今すぐ出ていけ。俺にも我慢の限界がある。」
「…ごめん。を怖がらせて危険な目に合わせたのは私だ。それは謝るよ。
 でも、確かめたいことがあったんだ。それでー。」
「もういい加減にしてくれ…!
 は生きてた!それでいいじゃねぇかっ!
 お前には関係ねぇ…!これは、俺達の問題だ!!」
「…明日、落ち着いたらまた来るよ。
 もう二度とソニーとビーンには会わせないから心配しないで。」

ハンジの申し訳なさそうな声の後、パタン、と扉が閉まる音が小さく静かな部屋に響いた。
その夜、リヴァイは、私が眠るまでずっと抱きしめ続けてくれた。
何も言わないで、何も聞かないで、ただずっとー。
それがひどく心地よくて、私はやっぱり、絶望するしかなかったー。
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