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【リヴァイ】彼と彼女の最終回【進撃の巨人】

第12章 ◇11話◇逃げられない


目を開けたら、私を襲おうとしていた男が3人とも倒れていた。
その向こうで、誰かが空を飛んでいるのが見えた。
銃を持っていた男がすぐに立ち上がり、銃を構える。
でも、空を飛ぶ誰かは、風を切る音を鳴らしながら、まるで銃弾が見えているみたいに避けていく。
そして、それが誰か私が気づいたときにはもう、ナイフを持って立ち上がった他の2人諸共男達を地面に叩きつけるように殴り倒したリヴァイが、私を守るように背中を向けて立っていた。

「俺の女に指一本触れるんじゃねぇ。クソ野郎共が。」

地面に横たわり、怯えながら何かを喚く男達に、リヴァイが冷たく言い放つ。
そこへすぐにペトラ達が馬に乗ってやって来て、私を襲おうとした男達を拘束する。
リヴァイは振り返って私を見下ろすと、心底ホッとしたように息を吐いた。
そして、崩れ落ちるように膝を地面につけると私を抱きしめた。

「リヴァ…、リヴァイ…っ。リヴァイ…!」

気づいたら、私は泣きながら彼の名前を呼んで、背中にしがみついていた。
怖かった。
怖かったのだ、すごくー。
だから、絶対に私を傷つけない瞳を見て、安心してしまってー。

「…っ。怖ぇ思いをさせて悪かった…っ。もう大丈夫だ…!
 俺がいる!俺が守ってやる!もう二度と…っ、怖ぇ思いはさせないと誓う…!」

リヴァイに強く抱きしめられながら、彼にしがみついて泣きながら、私は絶望に打ちのめされていた。
あぁ、本当に最悪だ。
もう終わりだ。
私は逃げられない。
この男から、逃げられないー。
ここがどこなのか、自分が誰なのかも分からないけれど、これだけは分かる。
今の私はきっと、この男に守られていないと、生きていられないのだー。
死にたくないのなら、怖い思いをしたくないのなら、私はこの男に従うしかないのか。
ハンジに目隠しにされていたときよりも、私は目の前が真っ暗に見えていた。


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