第8章 ◇7話◇調査兵団兵舎
ハンジと言い争いをしていたモブリットが、私の隣に座った。
そして、大きな腕が、私を包んだ。
リヴァイにしたように、咄嗟に突き放そうとしそうになったのに、柔らかい声がひどく優しくて、動けなかったー。
「どうすればいいか、一緒に考えよう。
心配しないで。俺がついてるから。」
頼みの綱だと思ったリコにすら、見放された気分だった。
この世界に、たったひとりぼっちみたいだった。
だから、モブリットの声と言葉は、とても優しくて温かかった。
「俺達が、じゃなくて、俺が、ねぇ…。
…あ~ぁ。私よりモブリットの方がリヴァイに殺されると思うけどね。」
「あ!!!」
モブリットが私から慌てて離れて立ち上がった。
成り行きでーと言い訳しているモブリットをハンジがからかう。
そのすぐそばで、私1人だけ、途方に暮れていた。