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【リヴァイ】彼と彼女の最終回【進撃の巨人】

第8章 ◇7話◇調査兵団兵舎


扉が閉まってすぐにハンジが今日と明日の説明を始めた。
まずは今日はこのままこの部屋から出ないようにと指示を出される。
死んだ人間が生き返ったーそんな噂がこれ以上広まらないように身を隠しておいてほしいのだそうだ。
それが本当の理由なのか、それとも、私をこの部屋にただ閉じ込めたいだかなのかは分からない。
でも、私としても、誰も知り合いもいない建物の中をウロウロするような強い心は持っていない。
だから、この部屋から出るつもりはないと伝えれば、ハンジとモブリットは安心したようにお互いの顔を見合わせた。

「それから、明日は旧調査兵団本部に戻るよ。」
「旧調査…?」
「がここに来る前にいた古城だよ。俺達はそこで任務が残ってるんだ。
 だから戻らなきゃいけないんだけど、を置いてもいけないから
 一緒に来てもらうことにしたんだよ。」
「それに、見てもらいたいものもあるしね。」
「ハンジさん、あなたまだそんなこと言ってるんですか?
 そんなことしたら、リヴァイ兵長に殺されますよ!!」
「だから、リヴァイが任務中にコッソリ見せるんだよ。」
「あなたは鬼ですか!?」

ひどく狼狽えて興奮しているモブリットとハンジが仲間割れを始めてしまった。
よくわからないけれど、本当にどうでもいいくらいに、頭が痛い。
私が知りたいのは、ただひとつー。

「どうして、古城なの?私はただ、家に帰りたいだけなのに…。」

倒れるように、ベッドの縁に腰を降ろして、頭を抱えた。
幸せそうな恋人同士の絵を見た後、モブリットが私のことを教えてくれた。
リヴァイとはもう5年以上付き合っていて、本当なら今頃夫婦になっているはずだったそうだ。
あのアパートメントは1人暮らしの家なのではなくて、そもそもが恋人2人の家で、夜勤の任務や仕事のとき以外は、私もリヴァイもあの家に帰っていたー。
結婚すれば、そこがそのまま夫婦の家になるはずだったのだなんて、そんなこと言われたって、私は知らない。
知らないのだ。
家に帰りたい。
私の、記憶にある家に。
そこに、恋人はいないけど、別にいい。
私をあんな風に愛おしそうに見つめてくれる恋人はいないけど、それでいい。
怖い。
知らない人達が、私を通して知らない私を見ているのが、ひどく怖いー。
この状況が、理解出来なくて、怖くて怖くてー。
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