第5章 ◇4話◇頼みの親友
「リコ!!」
気付けば、私は彼女の元へ駆け出していた。
すぐに振り返ったリコは、私に気づくと、これでもかというくらいに目を見開いた。
まるで、そこに存在するはずのない人間を見たみたいなその驚愕の表情は、ペトラ達が見せたのに似ていたのだと思う。
でも、私はリコに会えた喜びで、彼女の驚きなんて気づきもしなかった。
だから、思いっきり飛びつくと、助けを求めて懇願した。
「リコ、助けて!!あの変な人達が私を誘拐して大きなお城に連れてくし、
また私の恋人とか言うストーカー出てくるし、巨人がどうとかわけわかんないこと言うし、
ていうか、ここどこなの?!早く家に帰って、ドラマ見ー。」
「待て待て待て…!落ち着け!!」
リコが私の両肩を持って引き剥がした。
「あ、ごめん…。やっと知ってる人に会えたからホッとしちゃって、それでー。」
「落ち着け、落ち着け私…。落ち着くんだ。」
リコは自分の胸に手を当てて深呼吸を始めた。
私の顔を見ようともしないどころか、そこにいることすら認めようとしていないみたいだった。