第5章 ◇4話◇頼みの親友
ヨーロッパの街並みのような見覚えのない通りを、私は不安げに視線を揺らしながら歩いていた。
不安がどんどん増していくのは、誘拐犯グループと同じ制服を着ている人達と何度もすれ違ったせいだ。
そんな私に、リヴァイやハンジ、ペトラ達は、この見覚えのない街であった私との想い出と言うのを聞かせてくれるのだけれど、当然、身に覚えはない。
もうそろそろ気持ち悪いを通り過ぎて、怖くなってきた。
ここはどこなんだろう。
この人達は何なんだろう。
あのドラマではないけれど、異世界にでもやって来てしまったみたいだ。
でも、リコに会える。なぜか分からないけど、この見覚えのない街にリコがいる。
最後の頼みの綱、リコがいればきっと大丈夫。
この意味の分からない状況を説明してくれるだろうし、誘拐犯から私を助けてくれる。
この世で、リコほど頼りになる友人はいないのだからー!
しばらく歩いていると、大きな壁が見えてきた。
いや、ずっと視界の奥に見えてはいたのだけれど、それが近くなっていくにつれて、その大きさが想像以上であることに気づいて圧倒された。
一体どれくらいの高さがあるのだろう。
空に届きそうなくらい高い壁だ。
よく見てみると、この街は高い壁にグルリと囲まれているようだった。
まるで、街全体が大きな監獄のようで、一生ここから逃げられないと言われてるみたいで怖くなった。
でも、私はすぐに希望の光を見つける。
見たこともない大きな岩が壁にはまっているのに気づいた後、その岩の手前に見覚えのある銀髪の女性を見つけた。
なぜか誘拐犯グループと同じ制服を着ているけれど、あれはリコだ。