第5章 ◇4話◇頼みの親友
「、着いたよ。起きて。」
身体を揺すられて、私はゆっくりと目を開けた。
そして、すぐ隣に座っているリヴァイを見つけて飛び起きた。
立ち上がる余裕もないくらいに怯えて、足をバタバタさせて後ろに逃げれば、荷馬車の縁に当たって止まる。
「…まぁ、仕方ないよ。リヴァイ。
とりあえず、まずは記憶を戻す方法を考えよう。」
「…あぁ、そうだな。」
ハンジの言葉に頷いたリヴァイは、私の足元に脱ぎ捨てられているジャケットを手に取って立ち上がった。
そして、ジャケットを羽織りながら、ペトラ達に何か指示を出した。
誰かに自分達が帰ってきたことを伝えるように頼んだようだった。
また、誘拐犯の仲間が増えるのだろうか。
もう勘弁してほしい。
早く家に帰りたい。
それなのに、私に見える景色は、私の知っている街とは全く違う。まるで、どこか海外の国に来たみたいー。
ヨーロッパとかー。
通り過ぎていく人達の服装も、私が知っているようなファッションとは違っていて、どこか懐かしさもあるヨーロッパの風景に見えた。
もしかして、国外に連れて来られたとかー。