第4章 ◇3話◇混乱
あの日、トロスト区に残った巨人の掃討作戦の後、の死を最初に知らされたのはハンジとモブリットだった。
遺体の惨さから、リヴァイに会わせてもいいものか悩んだの親友であるリコが、相談してきたのだ。
トロスト区奪還作戦時、駐屯兵団の精鋭班として作戦に参加していたは、エレンを守るという任務を全うするために自ら巨人に近づき、何体もの巨人に捕食されて死んだのだそうだ。
ハンジとモブリットは、もうとは言えないソレを見て、リヴァイには見せない方がいいと判断した。
それを後悔したのは、それから数日後のことだ。
調査兵の中には、リヴァイのことを、恋人が巨人に殺されたのに平気でいる冷たい男だと言っている者もいるようだが、実際は全く違う。
遺体を見ることが出来なかったリヴァイは、の死を現実として受け入れられないのだ。
いや、きっと、頭では分かっているはずだ。
そういうことは、今までも何度だってあったし、遺体があろうがなかろうが死亡は死亡だと、リヴァイなら頭で分かっている。
でも、心が追いつかないのだと思う。
遺体も見ていないのに、本当に死んだのだと、認めたくないというのもあるのかもしれない。
付き合いの長いハンジやモブリット、班員として長く一緒にいるリヴァイ班のペトラ達は、リヴァイが壊れていっていることに気づいていた。