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【リヴァイ】彼と彼女の最終回【進撃の巨人】

第3章 ◇2話◇帰ってきた天使


あー!
バルコニーに集まった調査兵達が驚いて声を上げたときには、リヴァイは塀を蹴るように飛び上がっていた。
人類最強の兵士のさすがな脚力を見せつけたリヴァイは、光に包まれて落ちていた何かをあっという間につかまえた。
そして、バルコニーに降り立ったリヴァイはそれを横抱きにして抱えていた。
リヴァイの両腕の中で、眠っている彼女を淡い優しい光が包んでいる。
白いレースのロングワンピースが夜風に揺れて、ヒラヒラと舞う様は本当に天使を見ているようだった。
本気で天使が降りてきたのだと確信してしまった調査兵だっていたし、ハンジ達にはそれは天使だとしか思えなかった。
だって、ゆるいカールがかった長い髪と白く細い両手足も、綺麗に並んだ目鼻立ち、閉じた瞼の下に生えた重たく長い睫毛も、そのすべてに見覚えのある調査兵は、少なくはなかったからー。
だからこそ、目の前に彼女が存在していることが、信じられなかった。

「嘘だろ…。どういうこと…?」
「…さっぱり…、分かりません。」

ハンジとモブリットから、戸惑いの声が漏れる中、オルオは驚愕の表情で顎が外れた。
ペトラは小さく震え自分の身体を抱きしめた。
昼間の掃除中のリヴァイを思い出してしまったエルドは、胸の苦しさまで思い出して、シャツの胸元を握りしめる。
グンタは声も出ない様子だった。

「…っ。…っ。」

リヴァイだけは、ここに存在している彼女を確かめるみたいに、腕の中にある温もりを強く強く抱きしめながら、何度も何度も彼女の名前を呼び続ける。
あまりにも切ないその光景に、誰も、声を出せなかったー。
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