第1章 鬼に成りし者と
そして、無一郎の家に辿り着いた。二人はヘトヘトだった。
改めて現代社会がすごいと思った。車があるって、本当に素晴らしい。
花怜は無一郎と夕食を食べた。その時、隣で淳一が羨ましそうに見ていた。
「先生は鬼だからダメです。毒ですよ」
「むっ……」
いつも給食を大盛で食べている淳一にとって、ご飯を食べれないことは悲しいことだった。
「ねぇ、花怜」
そして、無一郎が話を切り出した。
「鬼殺隊になりたい?」
その質問に、花怜は頭を悩ませる。
本当はやりたくないけど、先生も居るし、せっかくの機会だから……。
「なりたい。せっかくだから、良い経験をして行きたい」
隣の淳一が目を見開いて驚いている。
「未来には確実に帰らせたいから……最終選別は行かない。そして、僕か他の鬼殺隊と一緒じゃないと仕事は出来ない。お館様が決めてくれた言伝だよ」
条件はとてもラッキーなものであった。どちらにしろ、死というのは無い。
「昼間にたくさん稽古を付けようね」
「うん、キツそうだけどなんか楽しみ」
花怜の言葉に、無一郎は笑っていた。