• テキストサイズ

夢の刃に純粋な思いを重ねて【鬼滅】

第6章 那田蜘蛛山にて




「飢餓状態で暴れた俺を彼女が止めてくれた。そんな時に無一郎が現れて、自分が鬼だと知った。色々あって、無一郎に保護してもらったんだ。この隊服も、無一郎からもらったんだ」


「霞柱様が……」


「あの、そのコイン……金貨って何なの?」


淳一がそう聞くと、カナヲはビックリした様子になった。


「これでいつも決めてるの。今回は裏が出たから話したの」


「自分では決めないの?」


「どうでもいいの。全部どうでもいいから、自分で決められないの」


きっと、何かがあったのだろう。花怜も同じようなことを話していた。


『もうなんかどうでもいいんです。何もしようと思えなくて、自分で決めるのが怖いんです』


「この子も君と同じことを言っていたよ。でも、未来の選択肢はたくさんあるんだよ。それを自分で決めていかなくてはいけないんだ」


高校を受験するにも、どこの学校に行くのか考えなくてはならない。これからどんな勉強をしていくのか、これからどんな仕事に就くのか、それも自分で考えなければならない。


同じようなことを花怜も言った気がする。


「心は人間にとって大切な物なんだよ。とりあえず、夢を見つければいい。みんなと幸せに生きる、とかさ。夢を持てば心は動き、生きる原動力となるんだ」


カナヲは彼の言葉を聞いて、強い風が通り過ぎて行った気がした。それほど、衝撃的で、心に響いたのだ。


「カナヲ!何で捕まえてないの!」


後ろからしのぶの声が聞こえた。カナヲは必死に考えた。


この人はすごい……救いたい。元の世界に戻してあげたい。それなら……。


/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp