第6章 那田蜘蛛山にて
五人は藤の家を去り、次の任務先であるとある山に向かっていた。
辿り着いた時にはもう空は真っ暗だった。
「ヤダよー!俺行きたくないよー!」
善逸がまた駄々をこねている。
「善逸の守りたいものってある?もちろん、自分以外で」
淳一の言葉に、善逸は首を傾げた。
「それに気付けたなら、俺達の元に来て戦おう。君はきっと強いんだから」
淳一はそう言って、善逸の頭を優しく撫でた。
「炭治郎、俺達は先行こう」
「はい!」
淳一は炭治郎にそう言った後、花怜の手を握った。
「行こう、花怜」
「はい。というか、すごい強気ですね」
「隊服もらえて嬉しいんだよ」
照れ臭そうに言った彼に、花怜は優しく微笑んだ。
森に入り、彼らは呆然と立ち尽くしていた。なぜなら、人が操られ、殺し合う惨劇になっているのだ。
「臭いがキツい……」
さすがに炭治郎も狼狽えている。
そんな時、淳一が操られている人を蹴飛ばしたり殴ったりして止めた。しかし、意識で動かしていないようで、また人は動き出す。
「先生!蜘蛛の糸で操られてるんです!元を探らないとやっても無駄です!」
漫画の展開を一部のみ知っている花怜がそう言った。
「俺様がお前達に協力してやる!」
伊之助はそう言って、座り込んだ。何か集中している様子だった。
「見つけた!」
伊之助がそう言った時、頭上に鬼の少年が糸の上に経っていた。