第4章 舞い踊る屋敷
「むっ!?」
「先生!一緒で良かったですよ」
花怜は淳一に抱き付いた。
「この屋敷はある鬼の鼓によって操作されています。だから、部屋が切り替わったり回転したりするのです」
花怜の分かりやすい説明に、淳一は拍子抜けしている様子だ。
「さてさて、鼓の鬼――響凱を見つけましょう!」
花怜がそう言った時、目の前の廊下に響凱が居た。
「響凱!」
「うるさい虫ばかり……うんざりだ。早く、稀血を……」
確か、響凱は小説を書いていたはずだ。花怜もネットで小説を書いているので、なかなか人に評価されない気持ちが分かる。
「邪魔者は消えてしまえ!」
響凱がそう言って鼓を叩くと、部屋が回転した。
たまに入る爪痕のような攻撃を花怜と淳一は必死に避けている。
どうやって、攻撃をすればいいのだろうか。
そして、爪痕のような攻撃が淳一の鼻から下のところに当たり、体中が傷だらけになった。
「あっ……」
体と同じように、口枷が三等分なって外れてしまった。
「先生!」