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夢の刃に純粋な思いを重ねて【鬼滅】

第1章 鬼に成りし者と




「先生、だから……」


淳一はゆっくりと話す。


「子供を守る大人だから……俺は大切な生徒を守る」


「は?」


無一郎にとって、学校のことも世間のことも理解し難いことである。何せ、この場所は大正時代だ。令和時代の人が話しても通じないだろう。


「先生!私達は漫画の世界に来てしまったんですよ。彼にとって、私達は未来の人なんです」


「はぁ?」


花怜の言葉に、淳一は首を傾げた。そして、彼女は説明していく。


「鬼滅の刃という大正時代を舞台にした漫画の世界に入ってしまったんですよ。先生は鬼になってしまって、目の前は鬼殺隊の柱である時透無一郎君なんですよ」


「設定は理解出来たけど、鬼って何?」


「人食い鬼です。人を食って強くなります。そういう鬼を彼みたいな人が殺すんです。先生はその鬼になってしまって、殺されそうになっています」


「えっ……」


花怜の説明を理解していくほど自分が怖くなって、淳一は肩を落とした。


「あのさ、勝手に話進めないでくれる?」


「あっ、すみません!」


痺れを切らした無一郎の言葉に、花怜は咄嗟に謝った。


「俺達は未来から来たんだ。黒い服の男が俺達を襲ったんだ」


淳一の言葉に無一郎は顔を歪める。


「何、そのふざけた話。未来とか、馬鹿みたいな話しないでよ」


無一郎の言葉に、二人は顔を見合わせて俯いた。


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