第3章 激闘の初任務
「……珠世さん」
「こちらです。地下へ」
炭治郎が呼ぶと、扉の向こうから声がした。中に入ると、淳一と禰豆子が待っていた。
「先生……」
「禰豆子」
花怜と淳一、炭治郎と禰豆子の二組は抱き締め合った。
「私達はこの土地を去ります。鬼舞辻に近付き過ぎました。早く身を隠さなければ危険な状況です……」
隠していても、鬼だと気付かれてしまう時がある。特に子供と高齢者は鋭い。
「炭治郎さん、花怜さん」
名前を呼ばれ、二人は肩を震わせた。
「禰豆子さんと先生は、私達がお預かりしましょうか?」
「えっ……」
珠世の話に、炭治郎が声を漏らす。
絶対に安全とは言い切れないが、危険は少ないはずだ。でも……。
淳一は花怜の手を握った。それは炭治郎と禰豆子も同じだった。
「ありがとうございます。でも、私達は一緒に行きます」
「離れ離れにはなりません。もう二度と……」
花怜と炭治郎はそう言い切った。
「……分かりました。では、武運長久を祈ります」
禰豆子を箱に入れ、花怜達は新たな旅へ向かった。