第3章 激闘の初任務
花怜の話に、矢琶羽は頭を悩ませているようだ。
「悲しい時代に行くと汚いですけど、それ以降は綺麗な街になっています。あなたが早く生まれ変われるように、私が優しく殺して差し上げてもよろしいんですよ。あなたが決めて下さい」
口説きの戦法を使う花怜に、炭治郎は渋い顔をした。
「……降参だ。さっさと殺せ」
矢琶羽の決断に、二人は驚いた。そんなあっさり行くものだと。
夢の呼吸 弐ノ型 夢現
花怜は彼の首を斬った。
「生まれ変わったら、綺麗な街に行かせてあげて……」
花怜は祈りを捧げ、炭治郎と共に淳一と禰豆子が戦っているところに向かった。
淳一は朱紗丸が飛ばす毬を蹴り返そうとした時。
「蹴ってはダメよ!」
珠世の注意が聞こえたが、毬で淳一の脚が切れてしまった。
淳一が痛みで座り込んでいると、珠世が駆け寄ってきた。
「佐藤さん……。この薬ですぐ脚は治りますからね」
すぐに淳一の脚は回復し、また毬が飛んできた。淳一は目一杯の力を入れ、毬を蹴り返した。
淳一はまた強く飛んできた毬を蹴り返した。その毬は朱紗丸の真横を過ぎ、外壁にぶつかった。
「おもしろい男じゃ!今度はこちらも全力で毬を投げてくれようぞ!」
「十二鬼月のお嬢さん。貴女は鬼舞辻の正体をご存知ですか?」
珠世が朱紗丸に問い掛けた。すると、朱紗丸は固まり、顔が真っ青になった。