第3章 激闘の初任務
「あとは、あなたが鬼になってしまった彼を愛し続けられるかどうかです。あなたが無理なら殺して差し上げましょう。ですが、私は出来れば殺したくありません。彼のこれからはあなたが決めて下さい」
女性は泣きながら、倒れた男性を抱き締めた。すると、彼はゆっくりと目を覚まし、抱き返したのだ。
「私は彼が何であろうと愛し続けます。本当にありがとうございました」
女性は男性の体から少し離れて立ち上がり、頭を深々と下げた。男性も状況を認識出来たのか、頭を下げた。
「いえいえ。私達の大切な人も同じ状況なので。では、これで失礼します。行こう、炭治郎」
「うんっ」
二人は大切な人が待っているところへ走って戻ろうとした時だった。
「あなた方は、鬼になっても殺さずに保護して下さるのですね」
話し掛けてきたのは、珠世さんだった。隣の愈史郎くんも居た。
「少し興味がありまして、私のところで話をしませんか?」
珠世さんの言葉に炭治郎と花怜は顔を見合わせた。
「すみません。私達の相棒が待ってくれているので、少し待っててもらえませんか?」
「はい、もちろんです。お待ちしております」
炭治郎と花怜は、珠世と愈史郎に頭を下げ、急いであの二人が待つところへ向かった。