第3章 激闘の初任務
走って行った二人を禰豆子と淳一は見送った。
禰豆子も俺と同じように鬼なのか……。
淳一が頭を撫でてやると、禰豆子は嬉しそうに笑った。
花怜は少ない体力を使い、炭治郎を追い掛けて行った。
臭いの元は漫画である通り、鬼舞辻無残だった。
「「鬼舞辻無残!!」」
二人は大きな声で、その名を呼んだ。無残は冷酷な表情で彼らを見下した。
無残は、漫画の通りに人間として生きている。それがとても腹立たしかった。
無残は幸せそうに歩くカップルの男性の方に爪を刺した。すると、刺された男性は猛獣のように叫びを上げた。
炭治郎が急いで男性に被さり、押さえつけた。
「鬼舞辻無残!俺は!」
「私は!」
「「絶対に許さない!!」」
炭治郎と花怜は抜群のコンビネーションでそう言い放った。
「炭治郎、ちょっと良い?」
花怜は義勇の如く、男性の首筋に手刀を当てた。男性は静かに倒れた。
花怜は急いで口枷を作り、男性に口枷を付けた。
花怜は男性の相手であろう女性に言った。
「これなら少しは良くなるはずです。彼を人として接して居れば、彼に自我があるのなら、一緒に生きていられるはずです」