第2章 特訓と授業
淳一が竹に向かって蹴りや殴りを決めている横で、花怜は更に夢の呼吸を極めていた。
夢の呼吸 伍ノ型 回夢
花怜は縦に回ったり、横に回ったりした。まるで、水の呼吸の水車のようだ。
夢の呼吸 拾ノ型 明晰夢
とても激しく刀を振る技だった。花怜にしては無理がありそうだが、拾ノ型だからもしものために作ったのだろう。
「花怜、すごいね。あれだけ体力なかったのに……うん、すごいよ」
無一郎は嬉しそうに褒めてくれた。
「さて、先生は……」
無一郎は淳一の方を見た。
淳一は死物狂いで、竹をボコボコにしている。やはり、組長という名が似合う男だ。
「花怜……先生、怖い……」
無一郎でも怖じ気付いてしまうほど、それは恐ろしい光景だった。
「まぁ、学校で組長って言われるほどだからね……顔に似合ってるよ」
「……組長って言うな!」
花怜の言葉に、淳一は蹴るのを止めてツッコミを入れた。
「俺はお前の戦いをサポート出来るように頑張ってんだよ!」
淳一はそう訴えた。
刀を持てない淳一は、鬼殺隊として戦う花怜をサポートするしかないのだ。
「今日の特訓はこれで終了!早くご飯を食べよう!」
無一郎の言葉に、二人は頷いた。しかし、淳一はご飯を食べられない。