第2章 特訓と授業
数日間、花怜達は基礎体力向上を図るトレーニングを積み重ねてきたが、何も変化が見られなかった。
「うーん……一気に飛ばして、呼吸をやるかぁ」
「呼吸?」
無一郎の言葉に首を傾げる淳一。
「呼吸とは、簡単に言うと必殺技です。呼吸によって、体力が一気に上昇したりするんです」
「へぇー」
花怜が分かりやすく説明した。そして、無一郎もその間に入ってくる。
「こうやって、肺を大きくするんだよ」
無一郎は歯を強く噛み締めた状態で息を吸った。
「全集中常駐が出来ると、更に強くなれるよ」
「常駐……?」
「常に呼吸を使うことだよ」
寝ている時もずっと呼吸をすることによって、大きな体力アップにも繋がる。
すると、無一郎が大きなひょうたんを持ってきた。
「これを破壊できるように頑張ってね」
「えー!?無理でしょ?」
淳一はまさかの試練に仰天している。本家では当たり前のことらしいが。
「先生はやらなくていいと思うけど、花怜は頑張ってね」
「はっ、はーい……」
花怜はやる気のない返事をした。なりたいと言った時のあの意気込みはどこへ行ったのやら。