第2章 特訓と授業
「授業をここまでにするか?」
淳一は無一郎に問い掛けた。無一郎は首を縦に振った。
「すごい……大正とは大違いだね。僕の授業は終わりにして、次は君達の特訓だね」
「げっ……」
淳一は嫌そうに顔を歪めた。
「いや、先生は鬼だから疲れることはないでしょ?一番キツイのは私の方だと思うよ」
花怜は淳一にそんなツッコミを入れた。
「ああ……そうか。俺、人間じゃねぇんだった……」
淳一は授業をしていて、自分が鬼であることを忘れていたらしい。彼は思い出して、落胆した。
「まぁまぁ、先生、花怜、特訓するよ」
「はーい」
花怜達は基礎体力をつけるところから始まった。体力が全くない花怜は屋敷の周りを15周走っただけで倒れてしまった。
「キツイ……」
「俺は気持ち悪いほどに疲れが感じないな」
鬼になってしまった淳一は、軽々と練習メニューをこなしていく。
倒れてしまった花怜は無一郎と共に休んでいた。
「花怜、こんなに体力がないなんて思ってなかったよ」
「ゴメン……」
彼女は言葉を発するにも一苦労に感じるほど、疲れ切ってしまっているようだ。
「先生、恐ろしい。さすが、鬼になっただけあるよね」
無一郎の言う通り、淳一は恐ろしいほど特訓に取り組んでいる。
「先生……コワイ……」
「花怜、言葉がカタコトになってる」
無一郎のツッコミに答えられないほど、花怜はぐったりとしていた。