第2章 始まった関係
「部長…?」
「その男は大馬鹿者だな」
「…え…?」
「…こんなイイ女をフッたんだから」
「っ…」
優しい笑みを浮かべながらそう言う部長。
反対側にいる橋本くんも彼と同意見なのかうんうん頷いている。
「まぁでも…そんな男とは別れて正解だったんじゃないか?」
「え…?」
「好みは人それぞれだろうが…好きな女なら胸の大きさなんて関係ないだろう」
「そうッスよ!だから先輩が自信失くす理由なんて全然無いです!」
「橋本くん…」
まさか2人がそんな風に言ってくれるとは思わなかった。
今度は嬉しくてまた涙が零れそうになる。
「…お前は意外と泣き虫だな」
「お、お酒のせいです…!」
「フッ…まぁそういう事にしといてやろう」
そう笑った部長が、今度は腰に手を回してきた。
そして耳元で甘く囁いてくる。
「なぁ速水…せっかく酒の力を借りたんだ。そのコンプレックス…今夜克服してみる気はないか?」
「え…?」
「ここにはお前の理解者が2人もいるんだからな…」
「……、」
お酒の力とは本当に恐ろしい。
私は自らの手で浴衣の帯を解き、上半身だけを彼らの前に晒していた…勿論ブラはしたままだが。
「すっげ…」
ごくりと唾を飲んだ橋本くんがそう感想を述べる。
彼氏でもない…しかも職場の上司と後輩の前で私は一体何をしているんだろうと羞恥に顔が熱くなった。
「お前は初めてAVを見た中学生か」
「だってこんな大きくて綺麗な胸、AVでしか……って違っ!」
慌てて口を閉ざす橋本くんだがもう遅い。
彼だって健全な男の子だし、"そういうモノ"を観ていたって別におかしくはないのだけれど。
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