第2章 始まった関係
「ッ…、やばいです…それ」
「ぁっ…ぁんっ…!」
「もっと…もっと呼んで下さい…っ」
「あっん…、竜也くん…っ…」
彼が律動の速度を上げる。
がくがくと揺さぶられながら、私ははしたなく声を上げる事しか出来ない。
「くッ…!」
それからすぐの事だった。
彼が耳元で小さな呻き声を上げたと同時に、その動きがぴたりと止まる。
そして荒い呼吸を繰り返しながら、バツの悪そうな顔でこちらを見下ろしてきた。
「先輩ごめんなさい…俺……」
「……、」
どうやら彼はイってしまったらしい。
別に謝る事ではないと思うが、自分ひとりでイってしまった事を悪く思ったのだろう。
「謝らないで…?橋本くんがちゃんと気持ち良くなってくれて…すごく嬉しかった…」
「…先輩……」
それだけ私を想ってくれている証拠だ。
当の本人は納得していないようだけれど…
「あ、あのっ…今度こそ俺、先輩の事もちゃんとイかせて…」
「…オイ」
橋本くんがそう言い掛けた時だった。
彼の首根っこを掴み、ベッドから追い出したのはそれまで傍観していた部長で。
「お前の番は終わりだ。大人しくそこで見てろ」
「ちょっ…」
「…なんだ?部屋から出ていくか?」
「ぅぐ…」
それ以上何も言えなくなった橋本くんは、渋々もうひとつのベッドの方に腰を掛けた。
そして部長は一度私の体を起こし、見覚えのある物を手渡してくる。
「あ、あの…」
「…お前が着けてくれ」
「……、」
渡されたのは、すでに封が切ってある避妊具。
私は怖ず怖ずと部長の方へ近付いた。
「部長……下着を…」
「ん…?下着がどうかしたか?」
「っ…」
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