【コナン】Fall in love with a girl
第3章 小学生②
誤認逮捕だった
「おかえりなさい」
陣平くんの家でいつものように宿題をやっていたらお父さんが帰ってきた
陣平くんがお父さんの腕の中に飛び込んだ
「「おかえりなさい」」
陣平くんのお父さんは私と研二くんの頭を撫でた
その手はとても大きくて暖かくて優しい
誤認逮捕だったのに、お父さんの予定されていたタイトル戦が中止になった
それ以来何をやっても上手く行かずにボクシングを引退し、お酒ばかり飲んでるらしい
陣平くんはその姿を悲しそうに見つめていた
おせっかいって言われるかもしれない
だけど、少しでも元気になって欲しかった
陣平くんにもお父さんにも…
「俺に?」
「うん!陣平くんのお母さんに作り方教わったやつだよ
こっちはお父さんに渡して?」
陣平くんのお母さんとクッキーを焼いたことがある
お父さんも食べてくれて「美味いよ」って言って笑ってくれた
お母さんに習ったやり方で、クッキーを焼いた
それを陣平くんに今渡した
「父さん喜ぶよ、のクッキー美味いってずっと食ってたから
待って呼んでくる」
バタバタと音を立てながら陣平くんのお父さんは出てきて、私と陣平くんをカバっと抱きしめた
「ごめんな、心配してくれてありがとう
陣平とこれからも仲良くしてやってくれ」
「こちらこそ」
でも、時間が経つごとに陣平くんへの警察への憎しみは増していった
「警察なんてクソ喰らえだ」
陣平くんの口癖になってた
「ねぇ、研二くん
警察で一番偉い人って誰かな?」
「んー?警視総監とか?」
「そっか!陣平くん
大人になったら、警視総監殴りに行こう!お父さんの人生をめちゃくちゃにしたんだから、それくらいやったって大丈夫だよ」
「何言ってんだ…」
「あははっ、、最高!
いいじゃん、殴りにいこうぜ、そん時はボクも誘ってよ?」
「私も行くからね!」
「ばかだよ、お前ら…」
陣平くんは私と研二くんの首に腕を回してグッと引き寄せた
顔は下を向いていて表情はよく見えなかった
研二くんがポンポンと陣平くんの頭を撫でていた