第10章 影との遭遇
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私は窓辺からぼんやりと空を見ていた。
その時玄関のチャイムが鳴り、ハッとする。
何時間そうしていたのか…気が付けば辺りは薄暗く、自分が明かりも灯さずに放心していた事に思い当たる。
サスケ君が来るまでにはまだ時間がある筈だ。
私は慌てて部屋の明かりを灯すと、玄関へと走った。
開けた扉の先には…会いたいが…今は一番会いたくなかった人物が立っていた。
『…カカシ…さん…?』
途端に心臓の鼓動が大きく音を立て始める。
帰れる筈がないカカシさんが…また、帰って来た。
目の前にいる彼は、どう見ても本人だ。
…自ずと嬉しい気持ちが込み上げ、愛おしい気持ちが込み上げてくるのを抑えることはできない。
それは最早、私の中では条件反射だ。
「家に居たんだね…良かった!」
目が合った瞬間肩を引かれ抱き締められる。
常とは違う強い力だった。
そのまま中に押し込まれ、マスク越しに唇を押しつけられると同時に、後ろ手に扉が締められた。
『…んんっ…!』
直ぐに身体が反転し、そこに背中を押し付けられる。
カカシさんと玄関の扉に挟まれたような態勢になって逃げ場を失った。
カカシさんは片手で口布をずらし、顔を傾けると…直ぐに口内に舌を差し込んで、深くまで探ってくる。
『…ん…ふっ…!』
…ちょっと…待って…
…いき…なり…
「花…ちゃ…っ」
直ぐに歯列も割り、彼の舌は私の内から快感を呼び起こす動きをする。
『…待っ…ん…っ…ちゅ…』
(…だ…ダメだ…
…これ…キスで…終わらない…
……やつ、だ……
あ、安易に…っ…気を…許して…は…)
「花…ちゃん…
病院にも行ったんだよ…ん…ちゅ…でも…
…いないし…心配で…ん…」
喋る合間も、舐められるように動かされる舌が吐息とともに内側を刺激する。
「…サスケには…ん、ちゅ…驚かされた、けど…
何か理由が、あったんだよね…ん…っ、ちゅ…っ…ちゅ…」
グイっと腕を掴まれて、深くまで抉るような舌が奥に侵入してくる。
快楽に呑みこまれまいと、私は必死で顔を背けた。
「…花…ちゃん…?」