第9章 任務
だが突飛過ぎる。
と言ってもいい彼の行動には付いていけてない自分がいて…正直…狼狽えている。
それに…さっき彼がサクラちゃんに対して言った言葉は、ショックだった。
去り際に見た彼女の傷付いた顔が…脳裏に焼き付いている。
思い出すと酷く胸が痛み…心が重く沈み込んでしまう。
するとまるで私の想いが分かっているかの様に、サスケ君がその事に言及した。
「サクラに言った事は俺の本音だ。
…が、あんたを巻き込んだ事は、軽率だった。
カカシが忘れていると言うから…
…話の…流れで、ああ言った」
『……』
暫く無言になる。
…が、起こってしまった事だ。
彼を責めても仕方がない。
彼だって、サクラちゃんの事は彼なりに気にしている筈なのだから…
申し訳なさそうなサスケ君を見て、
私は諦めたように、大きな溜息を付いたのだった。
暫くして…
私がサスケ君に連れて行かれた先は、
昨日訪れたばかりの…ナルト君の家、だった。
目的地に驚いていると、
彼は私を軽々と玄関先に下ろした。
逃げて来た割に隠れる気はないようだ。
だってここは、現在の彼の滞在場所でもある。
本当に一時だけあの場を離れる…という目的だったのだろう。私をカカシさんから遠ざける為に…
何とかあの場でカカシさんに症状を自覚させたかったのは本当だが…こうして考えてみると、確かに無理があったかも知れない。
…いつもの彼ならいざ知らず…
先程の彼は傍目から見ていても、冷静さを欠いていた。
「俺も何の見通しも無く行動した訳ではない
…実は少し、気になる事があるんだ…」
『…え
…何か、心当たりがあるの?』
「ああ」
サスケ君の意外な言葉に、驚いて顔を上げる。
まさかそんな言葉が出て来るとは、想像もしていなかった。
「だが、まずはお前の話を聞く必要がある
入ってくれ。と言っても、俺の家じゃないが…
言っておくが…変な事はしないと…約束する。
昨日の俺の行動も…謝っておく」
サスケ君が扉を開け、私を中へと促す。
そう言えば、キス…されそうになったんだ…ということを思い出し、カァッと顔が赤らんでしまった。