第8章 完璧と言われた影に(カカシ視点)
「それで?
…どう思う?
あの子の胸元の跡…
俺が、付けたってあの子は言ってたが…
…残念ながら、全く記憶にないんだ」
サクラの頭をグリグリと撫でながら、
心の内にある疑問を口にする
「…先生、相手はサスケ君だと思ってます?」
(よく分かってるね、流石我が生徒
…君には酷な事…かもしれないけどね…)
チラリと視線を向けると、
サクラはまるで、
俺の気持ちを汲んだ様に話を続ける。
「違うと思います。
…あ、私の願望もあるけど…花さんは…
カカシ先生の事を、とても愛してらっしゃいますから
サスケ君が無理矢理、と言うのは…
────…ない…と思います」
「…間があったね…」
「あくまでも願望が入ってるので…」
2人暫く、無言になってしまう。
だが、サクラと話せて良かった。
お陰で冷静さを取り戻した。
「不安がないと言ったら嘘になるが…
───任せてみるか…
取り敢えず、2人に…」
「いいんですか…?」
「ああ…
朝から呼び出しておいて…お前には無駄足させちゃったけどね
…すまないな」
「いいえ…
…きっとサスケ君は…
花さんへの気持ちに、
向き合いたいんだと…思います。
…私も…
今の彼は…そうするべきだ…
…とも…思うんです」
「ああ…
そうかも、知れないな」
(…ホントに…
強くなったな…サクラ)
お前のその気持ちを、
サスケが分かる時が、必ず来る。
…俺はそう信じてるよ。