第7章 絡み合う想い
「お前は昨日俺と別れた後、
こいつと共に帰宅した…違うのか?」
サスケ君が、カカシさんの返答に訝し気な顔をする。
「何だって?」
私はここぞとばかりに声を挙げた。
『サスケ君!
それがカカシさん、昨日の事を覚えてないの!
お願い、助けて』
「何?」
「…花ちゃん?」
『カカシさん!
私は狼藉など、誰からも受けてません!誤解なんです!』
私はもう一度、カカシさんの顔を真正面から見据えて言い放つ。
困惑した彼の様子に、サクラちゃんも横で首を傾げる。
「あの…一体…何が、どうなってるんですか…?」
私はサクラちゃんに向き直る。
『サクラちゃん、心配させて…ごめん
でも私は、本当に大丈夫だから、それよりもカカシさんが…』
「…っ、そんな筈
じゃあ一体誰が君にそんな痕を付けた?!」
カカシさんの手が、胸元に掛かると、
昨日付けられた無数のキスマークが2人の前に晒される。
『…なっ…!!』
カカシさん!!
いくら覚えてないからって、なんて事をっ…!
記憶が戻ったら…っ…許しません!!
1人心の中夫に悪態を付くが、
純粋な若者2人は…私の胸の上と首筋に無数に刻まれたその生々しい跡に…分かり易く顔を赤くしてしまう。
その2人に当てられる様に、
私も恥ずかしさに顔が火照り、慌てて前を隠す。
「見ただろサクラ?!
医忍としてどうだ?今のが、虫に刺された痕に見えたか?!」
ハッとしたサクラちゃんが、
顔を上げて暗い顔をすると…ふるふると、首を振った。
「…はっ、い、いえ…
…視診…では…虫刺され…ではなく…
その、内出血の様に、見えます
恐らく…その…誰かに…っ」
そう言って、可愛らしい顔を更に赤くして俯いてしまう。
『こっこの痕は確かに!虫に刺されたのはでありません!
でっ、でも…付けたのは…カカシさんです!』
「君は」
カカシさんはもうどうしたら私を説得出来るのか分かりかねている様だ。
対する私も、どうやってカカシさんを綱手様と引き合わせるか…それを考えあぐねている。
居合わせた2人はとんだ被害者としか言いようがない。
『…ごめんね、2人とも…巻き込んで…』