第7章 絡み合う想い
程なくして火影室に2人が顔を揃えてやって来た。
サスケ君は、チラリとこちらに視線を寄越すが、直ぐに目を晒されてしまう。
『…』
昨日の今日だ。
当然お互い、少し…居心地が悪い。
サスケ君もまさか、任務で翌朝呼び出されるとは思わなかったのだろう。
…そしてその場に、私が居るとは──…
「花さん、おはようございます
で、6代目、なんですか?…緊急の任務って」
サクラちゃんの顔は、心無しか緊迫したものに見える。余程シカマル君が漁って呼びに行ったのだろう。
その後ろでサスケ君も、
鋭い視線でこちらに声を掛ける。
「おい、俺に重大な案件など任せてもいいのか?…上層部に後で何か言われるぞ」
「ああ…2人ともご苦労
大丈夫、それはない
極めて個人的な案件だからね
…依頼主は俺だ
そして被害者は…この子」
カカシさんが気遣う様な視線を私に向ける。
「え?!花さん!?
一体───…な、何があったんですか?!」
「…俺の妻に狼藉を犯した輩がいる
早急に犯人を特定して そいつを捕まえて欲しい
…デリケートな事だから、守秘義務は、守ってくれるよね?
お前達なら信頼できる…そう判断したからこそ呼んだんだ」
サクラちゃんはカカシさんの話に酷くショックを受けた顔になる、当然だ。
「も、勿論です
花さん、あの、良かったら…
身体を治療…させて下さい」
ずきり、と心が痛む。
サクラちゃん…迷惑掛けて…ごめんね
その優しさに、自然と感謝の言葉が口をついて出る。
『…ありがとう…
で、でも、その、必要ない…から』
私は話の中、
切り出すタイミングを図っていた。
「え、で、でもっ…」
そんな中 やり取りを静かに聴いていたサスケ君に、ふとサクラちゃんが片腕で制される。
「…サスケ、君?」
「被害に遭ったのはいつだ?
…まさかあの後か?
お前が付いていながら、どういう事だ?!」
サスケ君の声に怒りが滲んでいる。
昨日の事…に触れようとしていた。
ドキリとするが、
これが待っていたきっかけだと私は心を決めた。
「あの後?
…───って、
どういう意味だ、サスケ』