第7章 絡み合う想い
「シカマル、大至急サクラ呼んで
あと、ナルト…は、ちっ、今朝早くに任務に出したんだった
…任せられる奴───
そうだ、サスケを呼んでくれ!
今ナルトの家にいるはずだから」
「え、サスケ?
サスケ帰ってるんすか?」
「ああ、いいから大至急動け!」
「し、承知!」
シカマル君がただ事でない雰囲気に即座に対応をする。
『あっ!シカマル君!待っ…!
かっカカシさん、話を聞いて下さい!』
「大丈夫、サクラとサスケなら今里にいるツーマンセルとしては1番信用出来る、最強の組み合わせだからね
サクラが居れば、君の話し難い事も…少しは言い易いでしょ?
直ぐに犯人を探し出すから何か手掛かりになりそうな事、少しでも話して?」
だ、ダメだ、こりゃ
火影という立場を利用して、話がどんどん大袈裟な方向に向かっている。
早くなんとかしないと、
居もしないレイプ犯?を捜索する為
忙しいサクラちゃんとサスケ君に迷惑を掛ける事になるだろう。
…もう、めちゃくちゃだ
そもそもキチンと事情を聞きもしないままに事件と決めつけてるし、こんなの全然カカシさんらしくない。
いつも冷静沈着で、
判断を誤ることのない彼が…私の事で、こんなにも取り乱してくれるなんて…嬉しい、けど
シカマル君は神風の様に一瞬で掻き消え、止める事も叶わず…
ああ、どうしよう…
サスケ君とサクラちゃん…2人が来るのも、時間の問題だ。
(しかもよりにもよって…あの2人…
今…一番会う事が気不味い…2人だ)
思わず頭を抱えてしまう。
サスケ君からは昨日告白されたばかりだというのに…まぁ当然、そんなこと、彼は忘れて居るのだろうけど
じゃなきゃ昨日あれだけ嫉妬していた相手に、私を任せるなどとは言うはずが無いし、わざわざここにサクラちゃんを呼ぶ筈が無い。
だが本人に記憶が欠落して居る事実を分かってもらう為には、昨夜一緒にいたサスケ君から是非とも協力を得たい。
だが昨日の顛末が顛末なだけに
…とてつもなく、話しにくい…
しかも…サクラちゃんの前でなんて…
もう考えれば考える程、この状況から逃げ出したくなる。