第6章 嫉妬R18
「お前がそんな事言うようになるなんてね
──…喜んでいいやら、複雑だよ」
「あんたには感謝している。
別に恩を 仇で返したい訳じゃない、だが…」
カカシさんが大きく溜息をつく
「…!?」
───と、
ふとサスケ君が突然何かを感知したように一瞬緊張して、訝し気な目をカカシさんに向けた。
え────なんだろ?
「カカシ…お前…」
「何?」
何か言いたげに口を開くが、
どこか躊躇しているようにも見える
「いや、いい(気のせいか…)
…想いは伝えた…今日の目的は、達した」
「やれやれ…
容赦しないと言っても無駄なんだ?」
「ああ───すまない」
カカシさんの困惑した視線にも、サスケ君は無表情だった。
(…今のサスケくんの一瞬の間
──…何だったんだろう…?)
…が、その後私にだけ、その切れ長の瞳が微かに優し気な色を帯びて向けられた事にまたドキリとしてしまう。
「花…次に会った時には、
…お前の気持ちを、ゆっくり聞かせてくれないか?」
そう言った瞬間、サスケ君の姿は見事な瞬身の術で掻き消える
直ぐに彼の微かな気配すら感じられなくなった。
「…ったく、あいつ
夫の前で堂々と口説きやがって」
誰もいない公園にカカシさんと2人になって 気が抜けてしまう。私はその場にあったベンチへとへたり込んだ。
「花ちゃん、大丈夫?
…あいつに、何もされてない?」
カカシさんが心配そうに、顔を覗き込んで来る
『…はい…
されてません、何も』
そう言いながら、異性として意識していなかったサスケ君から…キスされそうになった事を思い出して…今更ながらに、頬が熱くなってしまった
私に…隙があったから、だ。
「キス…されちゃうかと思った」
カカシさんも私の隣に腰を下ろすと、ホッと胸を撫で下ろしている。
『ごめんなさい…カカシさん
ご心配をお掛けしてしまって…』
「うん…心配した。けど…君の事は信用してるから。俺以外、見てないって──」
そのままカカシさんに引き寄せられ、ホッとする様な匂いに包まれる
『はい』
「でも 流石にサスケ相手じゃ
君がクラっと来ちゃわないか、ね
…正直 ちょっとだけ心配」