第4章 サクラの悩み
「ホント、信じらんない。
ナルトの店のチョイス
なんで一年振りに会うサスケ君を隣に、無言でラーメンすすらなきゃいけないのよ」
ぶつぶつ文句を言うサクラちゃんに、ナルト君がちょっと慌てている
「ご、ごめんってば サクラちゃん!
でもたまたま混み出したからあんまりゆっくり出来なかったってだけで、木葉の里で飯っつったら、一楽だろ?!」
「そりゃあんただけだっつうの!」
「そう言いながらすっかり完食していたようだが?」
「そりゃあね、腹が減っては戦が…って
もう、サスケ君まで〜!」
『…っぷ、あははは!』
3人の掛け合いが面白くて久し振りに声を出して笑った。まるで在りし日のアカデミー時代のようだ。
暫く4人でたわいもない会話を交わしながら、楽しい時間はあっという間に過ぎて行く。
…と、突然サスケ君が小さく溜息を付いた
「サクラ、お前疲れてるんじゃないか?
…今日はもう帰れ」
真剣な顔でサクラちゃんを諭すような声だ
「え?全然!
寧ろとってもハイテンションだよ
…帰れって、まだ10時前だし」
「どうせ寝てないんだろ…顔色が悪い」
そう言えばサクラちゃんは昨日寝てないんだ
いつになく元気だから 気にしてなかったけど…
(よく見てるな…サスケ君)
途端に心配になりサクラちゃんに視線を向け 注意深く観察する。メイクで上手く隠してはいるが確かに少し顔色が悪い。
サスケ君に会うために、無理してたのかな?
「つ 疲れて…ない
疲れてても、帰りたくない。
だって、やっと…サスケ君に会えたのに…」
まるて子供がタダをこねるような声を出すが、
サスケ君の無言の睨みにおずおずと視線が下がって行く。
(サクラちゃん…)
落ち込んでしまったサクラちゃんを見るサスケ君の顔が微かに綻んだ気がした。
それはきっと、ごく微妙な表情の変化で…注意深く見ていないと分からないほどのもの。
「俺は昨日戻ったばかりだ。まだ暫くは里にいる」
「サスケ…」
ナルト君もサスケ君の表情の変化に気付いた様子だった
流石 長年の親友だな。何だか感慨深そうな、それでいて嬉しそうな顔で2人を黙って見守っている
「だから、今日は帰れ」
「サスケ君…
…うん、分かった…」