第4章 サクラの悩み
サクラちゃんがそう答えると、直ぐにサスケ君は立ち上がり玄関へと向かっていった。
「…サ、サスケ君?」
「ほら、行くぞ
ナルト サクラを送ってくる」
すれ違い様にナルト君へ向かって一言だけ、そう告げる
「おう、頼んだってばよ サスケ!」
その時の真っ赤になったサクラちゃんの顔は、恐らく一生忘れない程に印象的だった。
こうして私達の久し振りの集いは解散の運びとなったのだが…3人を久し振りに間近で見て、私はそれぞれの成長をひしひしと感じ…それが嬉しくもあった。
互いに思い合う、とても良い仲間になったな。
特にナルト君とサスケ君の関係は、明らかに以前とは違っていて…あの辛い大戦を乗り越え互いを、本当の意味で認め合えるようになったのだと分かる。
私が緩和剤になる必要なんて これっぽっちもなくて、4人で屈託なく笑い合えたことは、素直に嬉しい驚きだった。
(当時のナルト君、必死だったもんな
サスケ君を取り戻すって…)
それがこうして現実のものになったのだ。
今では有言実行の、誰もが認める…里の英雄。尾獣のチャクラを使いこなす、人間離れした実力を持ってもいる。
正反対の性格ながらとても良いコンビの2人を、紅一点のサクラちゃんが、良い意味で中和していて…はたからみていても羨ましい関係性だった。
(昔はいがみ合っている姿をよく見かけたけどね…)
思い出すと笑いがこみ上げて来る、懐かしい
そこへあの飄々としたカカシさんが加わって…上手く纏めていたように思う。
暗部時代のカカシさんも知っている私としては、彼が良い意味でこの3人に影響を受け、前向きに指導してきた経緯を 陰ながら見ていたりもした。
カカシさんの顔に日に日に笑顔が増えて、
彼があんなに辛そうに当たっていた任務を
いつの間にか楽しそうにこなすようになっていって…
それは、きっと側にこの子達がいたからだ
…この子達と関わって育てる事が…カカシさんの心を癒していったんだ。
3人と過ごしていると、カカシさんが癒された気持ちが分かる。
カカシさんの優しい笑顔が浮かんでくる。
(あなたが見守ってきた3人は、とても素敵な子達ですね。すごく、立派に成長してます)
ああ、早くカカシさんに会いたい。
会って今日のことを、私が感じた事を…
沢山話したい。